課題解決事例009 T建築設計事務所

ホテルのデザインに和紙を取り入れたいが、施工方法や劣化懸念が… 合わせガラスにすることで、メンテナンス軽減だけでなく和紙の魅力も増大!

検討の背景とは

T建築設計事務所のデザイナーK氏は、新たに日本に開業する外資系ホテルの設計・デザインを担当していた。日本で増加するインバウンド客を主要なターゲットに、エレベーターホールでは和紙を活用した日本的なデザインを取り入れた空間創りの検討を進めていた。

和紙を活用した日本的なデザイン・使用する和紙の種類は決まったものの、施工方法や和紙の劣化懸念から…

K氏がデザインを担当している外資系ホテルは、海外からのお客さまにも大変人気の高いホテルで、客層にはリピーターも多くなっています。今回の開業では、日本の雰囲気をホテル内でも感じてもらえるように随所に日本的なデザインを取り入れる計画で進んでいました。

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「急速に増加するインバウンド需要に対応するために、多くのお客さまが出入りするエレベーターホールは日本的なデザインを取り入れることが当初より決まっていました。そこで日本の和紙メーカーによる和紙を活用したデザインを中心に検討を進めていました。」(T建築設計事務所 K氏)

デザインが進行するにあたり、和紙メーカーとの打ち合わせも進み、使用する和紙の種類も決まりつつありました。しかしながら、実際に採用するとなると施工方法をどうするのか、劣化時のメンテナンスをどうするのかなど懸念点が複数出てきました。人の出入りの頻度が多いスペースということもあり、施主からはメンテナンス頻度が多くなることは避けたい意向でした。

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「和紙を活用すると、どうしても劣化によるメンテナンスが一定必要になってくることが考えられます。目に付く場所ということもあり、できるだけ劣化を避けたいと考えていました。また、和紙そのものの印象に加えたデザイン性を出せないかという点も考えの中にはありました。」(K氏)

困ったデザイナーのK氏は、和紙の合わせガラスという手法で施工実績のある日石硝子工業を知り、急ぎ打ち合わせを行うことにしました。

 

課題のポイント

 
  • 和紙を活用した日本的なデザインをエレベーターホールに取り入れたい
  • 和紙の劣化に対して頻繁にメンテナンスを必要とすることは避けたい
  • 単に和紙を壁面に貼るだけでない一工夫の手法がほしい