課題解決事例015 S病院‐新生児病棟

新生児室の設計で従業員の作業手間削減に関する追加の注文が出てしまい… 液晶調光ガラスで新生児にも従業員にも優しい環境づくりが可能に!

検討の背景とは

S病院では新生児病棟のリニューアル工事についてプロジェクトが立ち上がり、レイアウトやデザインの協議を進めていた。今回のリニューアル工事では、新生児とご家族のコミュニケーションは残しつつ、従業員の働き方が改善されるレイアウト案をメインに検討が進められていた。

従業員の働きやすさを改善するレイアウト案で進めるも、細部に追加の注文が出てしまい…

多くの病院においても、人員不足に伴う院内で働く従業員の働き方改革は急務となっています。今回のS病院のリニューアル工事においても、従業員が働きやすい環境つくりについては重点的に議論のテーマとなっておりました。

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「設計上も、従業員の方が動きやすい動線の設計や、作業効率を落とさない備品の配置などの業務面の改善に加えて、休憩設備の配置など、従業員の働き方に優しいコンセプトの設計を進めておりました。」(設計事務所B氏)

設計・デザインの検討はスムーズに進んでいたと思われたのですが、検討が進むにつれて病院内から追加の要望が出てきました。例えば新生児室については、お母さんやご家族からよく見えるようにガラス面を広くしておくのは良いが、必要ないときまで開放的にしておくと、室外を通る人が新生児の視線に入ったり気配を感じやすくなったりすることで、新生児にとってはストレスが増えるので室外が見えないようにしたい。その際に、カーテンやブラインドを従業員が毎回閉めるのは作業効率が落ちるので、今回を機になくしたいという要望でした。

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「開口面を広く取れば取るほど作業時間もかかります。スイッチで自動的に開閉出来るようにということも提案したのですが、ホコリなどが残ることで衛生上良くない。衛生状態を保つために掃除をする作業は発生するという課題が残りました。」(B氏)

困った設計事務所デザイナーのB氏は、今回の施工を依頼する予定であった施工会社に相談を持ちかけることにしました。

 

課題のポイント

 
  • 従業員の働き方改革につながるよう、作業手間を削減する設計としたい
  • 新生児室は常に室外から見られる状態だと新生児にストレスがかかるため不要時は視線をカットしたい
  • 従業員の作業・掃除手間を削減するため、カーテンやブラインドは使いたくない